2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

変化3 不適応可塑性

一般に大脳の可塑性は、新しい運動能力を習得するための、神経系の有益な適応過程とみなされている。しかし、変化のすべてが最終的に有益であるとは限らない。 特に音楽家が、同時かほぼ同時に行う精緻な複数の動作を含めた、複雑で同じ内容の反復練習を脳に…

変化2 感覚野と運動野の結合ミス

長期的に繰り返し手を使用すると、感覚情報を収集するニューロンの端末と大脳皮質の各領域とのつながりや、大脳皮質の運動野、感覚野、聴覚野の機能的組織化に変化が生じる。楽器演奏の知覚を司り、動作を命令する皮質ニューロンの数が変化するためで、演奏…

神経・筋組織で発見された変化1 抑制メカニズムの欠損

筋紡錘から大脳皮質の介在ニューロン(感覚ニューロンから運動ニューロンへ刺激を伝達する)まで、神経・筋組織での様々な変化のうち、音楽家のジストニアについて科学的発見が集中しているのは4つの分野。①抑制機構②情報処理と統合③神経可塑性④運動プログ…

原因5 神経伝導障害

末梢神経の伝導障害が、ジストニアの発症に大きな役割を果たしていると言われる。ジストニアを持つ音楽家の40%に尺骨神経障害がある、とチャーネスは指摘した。この神経障害は演奏中に薬指と小指の不随意な屈曲が起こる音楽家の77%に存在するとし、チ…

原因4 生体力学的制限

ジストニアを発症した音楽家は、指を独立して動かす能力や、前腕と肩を回転させる能力が衰える傾向がある。関節の運動制限だけでなく、腱と筋肉の結合によっても筋負荷が増加し、これを代償するため他の筋肉を利用する必要が生じる。 こうした変化により、障…

原因3 習慣の変更

ジストニアの最初の症状は、肉体的にも精神的にもストレスのかかった時期に起こった、と述べる音楽家が多い。テラッサ芸術医学生理学研究所が、最初にジストニアを発症する直前に何かしらの変化を経験した音楽家の変化の内容別人数を調べた結果(複数回答)…

原因2 精度の高い定型的反復練習

生涯を通じて非常に正確かつ技巧的な動作を、より完璧にするために全力を尽くしているプロの音楽家は、演奏する際に必要な動作の強弱、圧力、密度、速度、独立性などを操る方法を学ばなければならない。さらに聴衆の前で演奏するプレッシャーを感じながらも…

ジストニアの原因1 脳の可塑性

楽器の演奏には膨大な運動と感覚訓練が必要だ。通常幼少期から始められる訓練の結果、脳の再構成が行われ、未使用の神経結合が急速に活性化し、新しい神経結合が作り上げられる。こうした神経系の再構成と再適応の能力は、大脳の可塑性によるもので、それに…

発症の特徴(メモ7)

ジストニアは、演奏能力を完全に修得した後に現れ、その途上では現れない。発症する音楽家の年齢は高めで、高いレベルで長時間演奏し、ほかの反復動作に起因する疾患にもかかったことのある人に多い。 発症前の一日あたりの練習時間と、発症年齢には逆相関の…

ジストニアの患指と代償指(メモ6)

ジストニアが見られる手には、「患指」と呼ばれるジストニアを呈する指と、たいてい一本以上の「代償指」と呼ばれる代償動作を行う指が見られる。 患指は脳からの歪んだ命令を受けている指で、最も強い緊張が見られ、手のひら側へ屈曲する傾向がある。代償指…

声楽ジストニアの特徴(メモ5)

歌手のジストニアは、歌唱中の喉頭筋に症状が現れる突発性局所性ジストニア。会話中にのどが締めつけられたような不自然な声になるもので、喉頭内転筋群に最も症状が出やすい。 突然声帯が閉まるため、声がしわがれたり、途切れたりする。外転筋群の痙攣性発…

楽器の種類による症状の特徴(メモ4)

ピアニストには薬指と小指の屈曲傾向、ギタリストには中指の屈曲傾向、バイオリニストには左手の薬指と小指の強い屈曲傾向、クラリネット奏者には中指の過伸展傾向が見られる。 発症頻度の高い指の組み合わせは、鍵盤楽器の場合、33%に薬指と小指双方の発…

ピアニストの症状の特徴(メモ3)

ピアニストの場合、中指と薬指の屈曲、そして人差し指の伸展を訴えることが多いという。最も多いのは、(中指の屈曲を伴う)薬指のジストニアか、(薬指の屈曲と代償反応による人差し指の伸展を伴う)中指のジストニアだという。

ジストニアの特徴的な症状(メモ2)

演奏中、ある特定の動作を行うときにのみ症状が現れること。楽器を使わなければ、同じ動作をしても症状が出ないか、緩和することが多い。 興味深いのは、どのような音楽家に発症するかという研究で、ほとんどの場合、ジストニアは一日に何時間も演奏するよう…

音楽家のジストニアとは何か(メモ1)

ジストニア(Dystonia)は、高度の複雑さと正確さを必要とする反復動作を、長年にわたって行ってきた局所的身体部位(指、手、腕、唇、喉など)に発症する。症状に共通する点は、不随意的に、動かそうとする筋肉と相反する動作を行う筋肉が、同時に収縮を繰り…

ハナズオウ

毎年4月になると、葉に先立って紅紫の小さな花群れを付ける。 ハナズオウ。 漢字では花蘇芳と書くようだが、刺のある黄色い蘇芳(スオウ)とは、別種のようだ。 楚々としたたたずまいは、チャイナドレスの似合う少女のよう。 原産国は中国。妹が船橋から来…

遺体

3年前 茨城で東日本大震災に被災した者として いつか このテーマに向き合わなければと 感じていた

現行憲法を読んでみる

知人たちの企画で6月に日本国憲法の抜粋朗読会が開かれる。 護憲、改憲という前に、自分たちがその憲法のもとで育ってきた現行憲法を、ちゃんと読んでみようというのが、その趣旨です。 膨大な全文の中から、前文、9条、11条、12条、13条、25条、…

ピアニストのジストニアとフェルデンクライスメソッド(クリップ・メモ)

ジストニアに罹患したピアニストの、フェルデンクライスレッスンを受けた後の感想。「フェルデンクライス・メソッドの応用」ジストニアから回復し、前よりも改善できたのは、フェルデンクライス・メソッドによるのが大きいです。 フェルデンクライス・メソッ…

原始反射が残存してしまう理由(クリップ・メモ)

○クリップ・メモ ADHDと原始反射が残存する理由 原始反射が統合されずに残存してしまうのにはいくつかの理由があります まず一つは、原始反射が発達すべき時期に、適切な運動をしてこなかった事です。 これは、赤ちゃんが良く動けるように親が環境を作ってあ…

花だいこん

花だいこんが、今年も庭に咲きました。 なんの手入れもしないもに、けなげに、また姿をみせてくれる。