2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

フェルデンクライスによるアプローチ

フェルデンクライス・メソッドは、動きと感覚を使ったレッスンによって、人の可能性を最大限に引き出すことを目指すソマティック・エデュケーション。このメソッドで局所性ジストニアへのアプローチを試みているのは、フェルデンクライス・ジャパンのかさみ…

連続した戦略2 フィットネス及び学習に基づく感覚運動及び記憶訓練プログラム

神経系に認められる歪みを正常化するために考案された、特別な治療手段による複数の再訓練方法を組み合わせたもの。訓練は、有酸素運動、脳の活動を高めるためのコンピュータ・プログラムの実施、そして以下の逐次訓練によって行われる。 ○前向きの思考をす…

再訓練の連続した戦略1 シャマーニュの手順

複数の動作の再訓練の結果を連鎖させる、フランスのPTシャマーニュの治療手順は、筋肉と姿勢バランスの回復から始まり、楽器を用いての訓練に移行するもの。彼の考えるリハビリは、罹患部位のみでなく全身を包括的に、身体面と心理面の双方を考慮すべきとい…

感覚運動再帰訓練

カンディアが開発した感覚運動再帰訓練(SMR)は、感覚系と運動系を再構築し、そのバランスの再調整を目指すもの。ジストニアを発症している手の代償指(患指の代償動作として代償性伸展や随伴性屈曲が現れる指)にスプリント(関節補正具)を一つまたは複数…

スローダウン・エクササイズ

サカイが2006年に提起したスローダウン・エクササイズの訓練手順は、次の通り。 1.ジストニア症状が現れる音楽作品を選ぶ。 2.メトロノームを使って、ジストニアによる運動障害が現れなくなるテンポまで、演奏のテンポを下げる。その演奏テンポを記録し…

3.音楽的な動作特異性を考慮した訓練

実際に楽器を用いて再訓練を行う際の難点は、楽器練習中にジストニアの症状が現れることを避けようとしてしまうこと。筋緊張や代償作用が生じたり、また自由に動作することなく一連の動作を反復しても意味がない。そのため、楽器を用いた訓練方法は、原則と…

2.向き合い方

現在可能な手段を用いる限りでは、長期間に及ぶリハビリテーションを伴うことを理解しておかねばならない。どの方法でも、疲労感や大きな改善が見られないことを理由に治療を脱落するケースは絶えない。ジストニアは突然回復するものではないこと、変化を回…

発症後の改善策1 基本的な注意点

1.音楽家のジストニアは、脳に問題があるが、病変はない。非常に高度なレベルの演奏を何年間も続けた結果、脳が持てる力を最大限に発揮し続けて、極限状況にさらされてきた特殊な状況において、いくつかの間違いが脳に取り込まれたということ。体系的な練…

ジストニアの予防対策

テラッサ研究所のディレクターらは、これまでの研究結果に基づき、ジストニアの発症を予防するために、音楽家が考慮すべき内容を以下のようにまとめた。1.技術的な上達を目指すだけでなく、心身全体に注意を払うべきこと。楽器演奏に関する衛生概論(姿勢…

変化4 運動プログラミングの欠陥

音楽家のジストニアにおける奇妙な特徴は、発症の非常に強い特異性と言われる。例えばギター演奏で、上昇音階のアルペッジョは非常に困難なのに、同じ押弦位置と指の組み合わせで、同じ音で構成された下降音階のアルペッジョは問題なく演奏できる場合がある…