二人の巨人

　祖父幸之介が、精武館の江口伊八師範から兵法柔道の段位を授かる前年。1933年のパリで二人の男が出会う。
　機械と電気工学の研究でパリにいたモーシェ・フェルデンクライスと、ヨーロッパ各地で柔道紹介の講演旅行をしていた、講道館の嘉納治五郎。
　この時の模様を、嘉納は『柔道の根本精神』に、モーシェは、1977年のフェルデンクライスメソッド・サンフランシスコトレーニングで、デニス・レイらのインタビューに答える形で、それぞれ記録に残している。